金融業界の収益構造MAP

「誰が・いつ・何で儲かるか」が見えると、営業に振り回されなくなる
手数料は2タイプ
フロー型売れた瞬間にチャリン→ 「売る・乗り換えさせる」ほど儲かる
ストック型持ち続けてもらってコツコツ→ 長く付き合うほど儲かる
銀行
本業は「貸して増やす」。低金利で利ざやが縮み、窓口販売に力が入った
フロー型 ─ 売れた瞬間に発生
フロー投資信託の販売手数料窓口で売れた瞬間に発生
フロー保険の窓販手数料外貨建て一時払いは初年度4〜7%と高額
ストック型 ─ 持ち続けてコツコツ
ストック貸出の利ざや(資金利益)預金を集めて貸す、昔ながらの本業
ストック投信の代行手数料(残高連動)持ち続けてもらうと毎年入る
窓口で起きがちなこと

外貨建て保険は4年以内に約6割が解約(金融庁調査)。目標に届いたら「次の商品へ」→ そのたび初回手数料が再発生

営業の現場では
窓口販売の収益は、いまもフロー型の手数料が大きな柱
証券
「取引してもらうほど儲かる」から「預けてもらうほど儲かる」へ移行中
フロー型 ─ 売れた瞬間に発生
フロー株の売買手数料対面証券の伝統的な柱。回転売買の温床に
フロー投信・債券などの販売手数料新商品を売るたびに発生
ストック型 ─ 持ち続けてコツコツ
ストック信託報酬の販売会社取り分投信残高から毎年入る
ストックラップ口座(残高×年率 最大1.5%程度)売買手数料は原則ナシ。ただし中の投信の信託報酬と二重コスト
ストック信用取引の金利などネット証券は国内株の売買手数料ゼロでもこれで黒字
電話がかかってくる理由

「そろそろ乗り換えては?」の裏には売買のたびの手数料。手数料目当ての回転売買は金融庁が規制するほどの構造問題でした。

営業の現場では
ストック型へ移行中だが、対面営業ではフロー型の比重がなお大きい
保険
売る側の手数料は「初年度にドカン、2年目からガクン」の頭でっかち構造
フロー型 ─ 売れた瞬間に発生
フロー販売側:初年度手数料保険料の30〜100%が手数料に。掛け捨ても貯蓄型も、どの保険でも売れた年が一番大きい
フロー乗り換え・転換のたびに再発生新契約になるたび初年度手数料がもう一度
ストック型 ─ 持ち続けてコツコツ
ストック販売側:継続手数料2年目以降は1〜5%に激減。頭でっかち構造
「見直しませんか?」の背景

続けた方が得な契約でも、売る側は新しく売る方が儲かる。特に貯蓄型は保険料が大きい分、売る側の実入りも大きいから勧められやすい。

営業の現場では
頭でっかち構造ゆえ、初年度手数料(フロー型)が販売の原動力になりやすい
営業提案が積極的なとき、動いているのはフロー型

業界全体はストック型へ移行中。でも強めの営業がかかる現場では、いまもフロー型の比率が高い。売れた瞬間の手数料が大きいほど、営業には熱が入るから。こんなセリフはサインです。

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「無料相談」の仕組み

相談がタダで成り立つのは、後ろで商品の手数料が払われているから。悪ではないけれど、提案が手数料の高い商品に寄りやすい構造は知っておこう。

タダより高いものはない、こともある。仕組みを知っていれば大丈夫。

こういう商品はよく理解しようMAP

商品が悪、ではなく「仕組みを知らずに買う」のが危ない。知ってから選ぼう
どれも共通するのは仕組みが複雑なこと。複雑さの中に、1枚目で見たフロー型の手数料が隠れているかもしれません。
1
変額保険
「保障がついて、運用もできて一石二鳥ですよ」
中身は「投資信託+保険」のセットで、保険の経費が上乗せ→実質コストは年2〜3%、低コスト投信の数十倍
単身者にも同じ形で販売されがち→不要な死亡保障にもお金を払うことに
10年以内の解約には解約控除→早期解約は戻りがほぼゼロのことも
保障と運用は、分けた方がお金は増えやすい
2
毎月分配型投信
「毎月、おこづかいみたいに受け取れますよ」
分配金の一部は運用益ではないことがある→自分の元本が戻ってきてるだけ(たこ足)
「非課税でお得」に見える→元本の払い戻しだから税金がかからないだけ
金融庁の調査では→購入者の約5割がこの仕組みを知らずに購入
運用報告書の「分配原資」で正体がわかる
3
仕組債
「定期預金より、ずっといい利回りの債券です」
株価が一度でも基準を割る(ノックイン)→元本が大きく毀損
株価が上がると早期償還(ノックアウト)→利益は打ち止め。勝ちは小さく、負けは大きい
手数料は価格に内蔵されて見えない→苦情多発で2022年以降、大手が販売停止・制限
債券とは値動きの性質が大きく異なる商品
4
ファンドラップ・
ウェルスマネジメント
「プロにおまかせ。あなただけの特別なご提案です」
おまかせ料+中の投信の信託報酬→二重コストで実質年2〜3%。運用益を食べる水準
「富裕層向け」と謳っても→買える投信の中身は一般と変わらない
特典はイベント招待などの「体験」→運用リターンには何のメリットもない
本当に「あなただけ」の特別な運用商品?
5
退職金運用プラン
「退職金特別プラン、定期預金 年3〜5%です!」
「年3〜5%」の優遇金利→数か月だけ。その後はほぼゼロに戻る
投信やラップとのセット購入が条件→利息で数万円もらい、手数料で数十万円払う設計も
案内が来るタイミング→退職金が振り込まれた直後に届きやすい
「特別金利」は数か月分だけ、がほとんど
5つに共通すること
仕組みが複雑(複雑さは手数料の隠れ場所になる)
実質コストが年2〜3%級(運用益を食べてしまう水準)
退職金・満期・目標達成などお金が動く瞬間に提案される
10秒で家族に説明できない商品は、
その場で決めずに持ち帰ろう。
まんがで読む「みらいちゃん劇場」

キャラクターの対話で、手数料と各商品のしくみをやさしく解説するまんが版もあります。まずはこちらからどうぞ。